ウールやカシミヤの冬素材は、やわらかな温もりで私たちの身体を冷たい空気から守ってくれます。
そんな素材が持つ質感や機能を良い状態に保つには、日頃のケアが大切です。
ここでは、FREDDY LECKのアイテム(クロスブラシ ソフト、クロスケアミスト、毛玉取り用クロスブラシ ハード)を使って、家で出来るニットケアの基本を解説します。

↑左から「クロスブラシ ソフト」、「クロスケアミスト」、「毛玉取り用クロスブラシ ハード」
※ニットだけでなく、ウールやカシミヤのコート、ストールなども同様にケアできます。
ニットのお手入れ方法
クロスブラシ(洋服ブラシ)を使い、着用後にブラッシングを行うことが基本です。
毛玉が出来てしまった場合は毛玉取りブラシで毛玉ケアを、乾燥や静電気を感じたらクロスケアミストで保湿ケアをプラスします。
■手順
① 大きいテーブルなど、平らな場所にニットを広げる。
② クロスブラシで生地目の方向にやさしくブラッシングし、ほこりや汚れをかき出しながら毛並みを整える。
袖の内側は、腕の動きによってこすれて摩擦が多い部分なので、丁寧に行う。
③ (毛玉があれば)毛玉取りブラシで繊維の絡まりをほどくようにやさしくブラッシングする。もう一度クロスブラシで毛並みを整える。
ブラシを強く押し当てず、少し浮かせ気味にブラシを動かすのがポイント。表面の毛玉をやさしく絡めとる。
④ クロスケアミストをまんべんなく吹きかけ、潤いを与える。
⑤ 風通しの良い場所で平置きにして休ませ、畳んで保管する。
1.ブラッシング
ニットケアにおいて一番大切と言っても過言ではないのが「ブラッシング」。ブラッシングには、次のような効果があります。
●繊維表面に付着した汚れを取る
●繊維の向きを整えて見た目の風合いを保つ
●毛玉が出来るのを防ぐ
着用後のブラッシングのひと手間で、ニットの良い状態をぐっとながく保つことができます。
Tips:玄関先でブラッシング
外出先から帰宅したら、玄関で軽くブラッシングをするのもおすすめです。繊維の表面に付着したほこりや花粉・排気ガスなどを払い落とします。花粉症の方は特に、花粉を室内に持ち込まずに済みます。
クローゼットとは別で玄関にひとつ、クロスブラシを置いておくと◎。
コツは軽くサッサッとブラッシングをすること。それだけで付着した汚れは十分に取り除けます。
Tips:毛玉はどうして出来る?
着用後は、摩擦で繊維の方向が乱れています。そのまま何度も着用を続けると、繊維が絡まって塊になります。実はこれが、毛玉が出来る理由です。
一日着た後は、生地目の方向にやさしくブラッシングをして繊維の向きを整えることで、風合いが保てるだけでなく毛玉の予防にもなります。
2.毛玉ケア
毛玉が出来てしまったら、毛玉取り用のブラシで繊維の塊を絡めとるようにブラッシングをしてください。髪の毛が絡まったときにヘアブラシで少しずつ絡まりを解いていくときのようなイメージです。
猪毛の先端をT字にプレス加工した特殊なブラシが、毛玉になった繊維をやさしく効率的に絡めとります。
3.保湿
冬の空気は乾燥しています。ブラッシング後はニットに潤いを与えましょう。
ウールには元々天然の油分が備わっており、汚れを付きにくくしたり水を弾く機能があります。
しかし、長く着用したり洗う(水洗い/ドライクリーニング)ことで油分が減少し、ツヤや柔らかさ、本来の機能が失われていきます。
クロスケアミストにはクリーニングの仕上げにも使われる「スクワラン」という天然由来の油分からできた保湿成分が配合されています。
仕上げに使うことで、質感がやわらかく艶が出ることに加えて、着用時の摩擦を軽減し静電気・毛玉を予防する効果もあります。
ヴィンテージや古着のニットなど、繰り返しの洗濯や経年によって油分が失われて硬くなったニットなどにもおすすめです。
この3ステップを習慣にすることで、ニットの清潔さをキープしながら毛玉を予防し、やわらかな風合いを保つことができます。
毎日のちょっとしたケアによって、手持ちのニットに対する愛着も深まるはず。
FREDDY LECKのニットケアアイテムで、「あなただけのニット」に育ててみてはいかがでしょうか。
ニットのお手入れ Q&A
Q1.スクワランって何?
クロスケアミストに配合されている「スクワラン」は、植物や哺乳類から採れる「スクワレン」という油分をもとにした天然の保湿成分です。スクワレンに水素を加え、酸化しにくく安定化したものをスクワランと呼びます。
人の皮脂にも含まれる成分で、スキンケア、ヘアケア製品などにも活用されています。
クリーニングにおいては、衣類を乾燥から守り、ツヤや柔軟性を与えるトリートメント剤として使用されています。
Q2.電動の毛玉取り機と毛玉取り用ブラシ どちらを選ぶべき?
電動の毛玉取り機は、繊維の塊をカットすることで毛玉を除去します。繰り返し毛玉の除去を行うことでニットがだんだんと薄く痩せていってしまったり、力加減を誤ると穴が開いてしまう可能性もあります。
毛玉取りブラシは、繊維をカットすることなく毛玉を絡めとるので、ニットにとってダメージが少ないのは毛玉取りブラシです。
しかし、1点注意したい点があります。
化学繊維(アクリルやポリエステルなど)は繊維の強度が高いため、一度絡まった繊維がほぐれにくく、生地表面から離れません。動物性繊維(ウールやカシミヤなど)は比較的繊維が切れやすいため、ブラッシングで繊維の絡まりがほぐれやすく、毛玉を取り除きやすいです。
化学繊維のニットの毛玉は毛玉取りブラシでは解消できない可能性が高いため、電動の毛玉取り機や小さなハサミを使い、毛玉を慎重にカットしてケアしましょう。
Q3.お気に入りのニット、きちんとケアしていれば毎日着ても良い?
連日の着用は、型崩れや摩擦のダメージが大きくなります。きちんとケアをしていたとしても、ニットは1日着たら2~3日は休ませるのが理想です。
特にウールやカシミヤなどの動物性繊維は、表面にうろこ状のスケールがあり、この構造に調湿機能(吸湿・放湿性)があります。着用していると汗をかき湿度を持ちますので、うろこ状のスケールが開きます。ニットを休ませることで繊維のスケールを落ち着かせ、摩擦による毛玉やにおいの吸収などを抑える&形状を保つことができます。